【2025年6月10日発売予定】
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「ファッション界のフロイト」と称されるファッションスタディーズの第一人者の全貌をはじめて紹介する、日本オリジナルの著作選集。研究の方法論からアートやセクシュアリティとのかかわりまで、19世紀パリから現代日本まで、「文化としてのファッション」を幅広い視点にもとづいて論じた重要論考17編を、135点の図版とともに収録。
著者来日情報
ヴァレリー・スティール博士講演会「ファッションスタディーズ:その歴史と挑戦」
日時:2025年6⽉4⽇(水)13:20~14:50(開場12:45)
会場:神戸大学鶴甲第2キャンパス
詳細・お申し込みは神戸大学大学院人間発達環境学研究科のサイトをごらんください。
【受付終了】「LOVE ファッション─私を着がえるとき」関連プログラム 講演会 ヴァレリー・スティール氏「FITミュージアムにおけるファッション展」
日時:2025年6⽉7⽇(⼟)14:00–16:00
会場:東京オペラシティビル7F会議室
詳細は展覧会公式サイトをごらんください。
目次
まえがき
1. ファッションとは何か
Fワード(1991年)
なぜファッションは嫌われるのか(1998年)
ファッション(2012年)
ファッションミュージアムは、たんなる衣装ケースではない(1998年)
ファッションミュージアムの台頭(2012年)
2. 近代社会とファッション
エレガンスの黒太子(2017年[1988年])
パリジェンヌのファッション(2017年[1988年])
人為と自然――コルセットをめぐる一九世紀の論争(2001年)
エドゥアール・マネの《ナナ》(2012年)
3. ジェンダーとセクシュアリティ
ファッションとフェティシズム(1996年)
ファッション、死、時間(2008年)
クィアなファッションの歴史――クローゼットからキャットウォークへ(2013年)
ピンク――パンクで、プリティーで、パワフルな色の歴史(2018年)
4. 服の見方、イメージの読み方
シャネルの位置づけ(1993年)
まさしくアメリカ的なもの(1991年)
裸のカルバン主義(1992年)
日本はいまなお未来か?(2010年)
監訳者解題・あとがき
索引
著者略歴
ヴァレリー・スティール (valerie steele)
FITミュージアム(ニューヨーク州立ファッション工科大学ミュージアム)館長兼チーフキュレーター。イェール大学大学院で近現代ヨーロッパ文化史の博士号を取得後、『ファッションとエロティシズム――ヴィクトリア朝からジャズ・エイジにいたる女性美の理想』(1985年)を出版し、ファッションにおけるセクシュアリティの歴史研究で注目される。1997年よりFITミュージアムのチーフキュレーターとして、2003年からは同館長として25以上のファッション展を企画し、多数の図録や書籍を執筆・編集。ファッションを文化の一部として捉えるその研究は、歴史、文学、芸術に関する豊かな知識に加え、審美的かつ実証的な洞察によって高い評価を得ている。1997年に『ファッションセオリー――衣服・身体・文化』を創刊し、ファッションスタディーズの基盤を確立したほか、『衣服とファッションの百科事典』(2005年)の編集を務めた。
The Museum at FIT: Valerie Steele – Director
本書の関連サイト
The Museum at FIT
Google Arts & Culture: The Museum at FIT
Gothic: Dark Glamour(「ゴシック――暗黒の魅力」展覧会)
Japan Fashion Now(「日本ファッションの現在」展覧会)
A Queer History of Fashion: From the Closet to the Catwalk(「クィアなファッションの歴史――クローゼットからキャットウォークへ」展覧会)
Pink: The History of a Punk, Pretty, Powerful Color(「ピンク――パンクで、プリティで、パワフルな色の歴史」展覧会)
Fashion Theory: The Journal of Dress, Body & Culture
監訳者、訳者略歴
[監訳者]
平芳裕子(ひらよし・ひろこ)
神戸大学大学院人間発達環境学研究科教授。専門は表象文化論、ファッション文化論。著書に『まなざしの装置――ファッションと近代アメリカ』(青土社、2018年)、『東大ファッション論集中講義』(筑摩書房、2024年)、『日本ファッションの一五〇年――明治から現代まで』(吉川弘文館、2024年)、共著に『「歴史総合」をつむぐ――新しい歴史実践へのいざない』(東京大学出版会、2022年)、『現代の皮膚感覚をさぐる――言葉、表象、身体』(春風社、2023年)などがある。
蘆田裕史(あしだ・ひろし)
京都精華大学デザイン学部准教授。専門はファッション論。著書に『言葉と衣服』(アダチプレス、2021年)、『クリティカルワード ファッションスタディーズ――私と社会と衣服の関係』(共編、フィルムアート社、2022年)、監訳書にアニェス・ロカモラ、アネケ・スメリク編『ファッションと哲学――16人の思想家から学ぶファッション論入門』(フィルムアート社、2018年)などがある。『vanitas』(アダチプレス)編集委員、「コトバトフク」運営メンバー。
[訳者]
五十棲亘(いそずみ・せん)
京都服飾文化研究財団アシスタント・キュレーター。専門はファッション研究。担当展覧会に『LOVEファッション――私を着がえるとき』(2024–25年)、共著に『クリティカルワード ファッションスタディーズ』などがある。研究誌『Fashion Talks…』(京都服飾文化研究財団)編集スタッフ。
鈴木彩希(すずき・さき)
関東学院大学人間共生学部専任講師。専門はファッション史、ファッション文化論。論文に「戦後における着物の改良と「新しいキモノ」の潮流――雑誌『美しいキモノ』の分析から」(『デザイン理論』第80号、意匠学会、2022年)などがある。『vanitas』編集スタッフ。
工藤源也(くどう・もとなり)
神戸大学大学院人間発達環境学研究科博士課程後期課程在籍。専門はファッション史。論文に「日本男性ファッション史における『Made in U.S.A. Catalog』――方法としてのモノの即物的描写と「伝統性=実用性」の表象」(『Fashion Talks…』16号、2024年)などがある。
本書の概要
書名 ファッションセオリー――ヴァレリー・スティール著作選集
著者 ヴァレリー・スティール
監訳者 平芳裕子、蘆田裕史
訳者 五十棲亘、鈴木彩希、工藤源也
発行・発売 アダチプレス
A5判ハードカバー、544ページ(モノクロ図版140点)
ISBN 978-4-908251-19-1
予価 6,600円(本体6,000円+税10%)